インディペンデント・キュレーター 加藤 義夫

      2017/06/02

大野勇介(1984年生まれ)の初個展である。

2007年の春に、大阪芸術大学を卒業した彼の絵画に光を感じる。

その光とは、太陽から放たれた自然光ではなく、都市に生まれた人工的な輝く光を彷彿とさせるもので、24時間眠らない都市の光ともいえるものだ。

19世紀後半のフランス印象派は自然光をとらえることで、絵画に時間を取り入れた。他方、20世紀初頭のイタリア未来派は、都市の光をとらえることで、速度の美を提唱した。20世紀は映像の世紀ともいわれる。光の芸術として典型的なものには、写真や映像表現があり、現代アートの主流となりつつある。さて21世紀の現在、大野は光を絵画に取り込むことで、あらたな美と時間を生み出そうとしているようだ。軽やかな色彩が空間を広げ、独特の光を放つ。インターネット社会の光とは、大野が描くような高速情報伝達を可能にした光の世界ともいえよう。


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